佐助くん

7bddc7642005年。まろんが光が丘公園にデビューした年。犬を飼ったのは初めてで、散歩というのも経験がなかった。ただ近所を、近くの公園を散歩すればいいのだと思っていたが、犬というのはコミュニティを作ってくれる動物だと知った。

犬同士はまず、挨拶でお尻のにおいをかいで、コイツ仲良く出来そうだな、と思えば鼻先をちょっとかすって、これからもよろしく!という感じで挨拶するのがベターだ。

挨拶できない犬は、まずお尻のニオイを嗅がせることが出来ない。挨拶できるようになるには出来るだけ小さい頃から、たくさんの犬とふれあいさせることが大事だ。

そのことを知った私たちは、毎日公園に行ってはたくさんの犬と交流させようと努力したが、まろんが特に犬見知りということでもないのだが、人間と同じで相性があう、あわない、というのも結構あって、なかなか思い通りに仲良くできないのだ。

ある日、知り合ったこのビーグル犬の佐助くんは、ちょうどまろんと歳も近く、今まで見たことないくらいに、走り回ってまろんとよく遊んだ。はじめて見るその光景に私たちも嬉しくなって、佐助に会いたくて毎朝公園に行った。

仲良くなった犬と再会するには、同じ時間に公園に行くことだ。

佐助とは2歳過ぎたあたりから、飼い主さんの仕事の事情などで、早朝会う機会も減ったが、私たちがその時間に公園に行くことは今でも変わりなく、今まで本当にたくさんの犬たちに出会っている。

私たちがこの朝の時間に、広い公園でもその場所に居れた、そして今居れることは、佐助のおかげなのだ。

残念ながら9歳5ヶ月で佐助は星になった。

食いしん坊で、飼い主さんがしゃがんだ足の間にもぐりこむことが大好きで、他の飼い主さんにでも、しゃがめば走りこんでくる、面白い子だった。

まろんの食いしん坊は佐助ゆずりだ。

もう会えないのだと思うと、本当に悲しい。

まろんと遊んでくれて本当にありがとう。

佐助。天国でもたくさんおやつ食べるんだよ。まろんが行ったらまたよろしく。