給料¥30387 という生活が始まった1996年。
少し時間を戻して引越し直前の95年のお正月。まだアパートに住んでいたが、引越しすることは決まっていて、義理の母、妹、堂園と4人で、アパートで今後のことを話していた時に、堂園が
「(会社の立て直しに)まあ、10年はかかるかな」
とつぶやくと、義理の妹は
「そんなに長く、、、、、」
と泣いた。ちなみに義理の妹はその当時まだ企業のOL。
妹も親と同居していたので、その住んでいる家に兄夫婦が家具を一式持ち込んで同居するというのだから、会社に関係ないと言っても不安の大きさは計り知れなかったのだと思う。
そのあと神社に4人でお参りした。しかしお参りしながら、当事者である私はあと10年が長いのか?短いのか?それすらもわからず現実感ないなあ、と思いながら歩いていた。もしかしたら10年なんてそんなものではなく、続くってことがもう無理なのかも知れないし、本当の窮地に追い込まれた時に人はたぶん現実を直視できないんじゃないかと思う。
私もそんな1人だったと思う。何か現実感を伴わないというか、それとやはりしょせんは家族と言っても私は外様だ。いつでも逃げれるというずるい考えもあったということは否めない。
事実、私は何度も逃げようと思ったのだから。
正月が明ければ、引越しが待っている。それは私たちの戦いの始まりも意味する。
でもその直前のエアポケットのような、穏やかな正月だった。
*気長に次回をお待ちください、、、、m(_ _)m