【電子商店繁盛記 Episode=0 】血の気が引く

ホームページを作ったり、アルバイトをしたりと、同居してから私たちの生活にも徐々に変化がおきてきた。

ホームページはもっぱら、堂園の仕事で、昼間は卸の仕事をして、夜はパソコンに向かう日々だった。

私がアルバイトのない日の、私たちのもっぱら息抜きといえば、歩いて1分ほどの酒屋に行って、ビール1本買って、酒屋の目の前の公園のベンチで飲むこと。

町まで行って、レンタルビデオ屋に行くこと。

そんなもんだったと思う。

ホームページ作りは、朝まで続くこともあったようで、夜遅くに帰ってきた義理の父と堂園がぶつかることが多々あった。

義理の父は、なぜか?酒を飲んでくることが多く、聞くとお得意様と飲んでいた。ということだったが、ずっと後になってわかったことだったが、やはり家に居場所がないと感じ、お得意様でも特に個人的に親しくさせていただいている人のところへ行っては、愚痴をこぼしたり、悩みを聞いてもらっていたようだった。

私たちは幸い、2人で悩みも、苦しみも、公園のベンチで話すことである程度解消できたが、義理の父は孤立無援。もちろん義理の母が別れず、支えてきてくれたこそ義理の父もやってこれたのだと思うが、義理の母には理解してもらえないこともあったのだと思う。特にワンマンでやってきただけに、理解してもらおうと思ってもその術を知らなかったと思う。

酒の入った義理の父と、寝ずにパソコンに向かう堂園が、夜遅いという時間も加わって、それこそ大喧嘩することも多々あって、そのたびに二階に居た私はびっくりして、飛んで下に駆け下りた。

血の気が引く

という言葉があると思うが、これは本当で、喧嘩が始まった!とわかると、手の先とか、足の先がものすごく冷たくなった。

これが本当にイヤで、今日はもうほっておこうと思っても、どんどん手先が冷たくなるので、怖くなってやはり下に駆け下りてしまった。

義理の妹も、そのたんびに驚いて、私より先に駆け下りた。

それだけ、大変な大騒ぎだったということだ。

どうして、そんな喧嘩になった?と聞くと

そんな訳もわからない、インターネットなんてやってどうするんだ?

というようなことを言われたということだった。

今では、会社のメイン事業になってしまったが、当時はそんな風にまったく回りには理解されなかったのだ。

色んな意味で苦しい時代が続いた。

 

 

 

2 thoughts on “【電子商店繁盛記 Episode=0 】血の気が引く

  1. ブラウザがモザイクで、モデムを使ってインターネットなんて時代がありました。ピーガラガラ、、、と数分画面の変わるのを待つ。まさかネットで物を買うとは思ってもいませんでした。

  2. くりちゃん。そうそう!!夜の11時からだっけ?安くなるプランもあって、11時まで待つなんてこともしょっちゅうでした。あ~懐かしいです!

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