1995年のこと。
結婚して3年目のことだ。
ある日、突然堂園が帰って来なかった。
日頃、夜遊びして無断外泊というタイプではないし、当初、仕事で遅くなるという電話は1本入っていたので遅くなることは知っていたが、そのまま結局朝まで帰って来なかった。
思えば、私たちのそれからの激変生活はその日から始まったと思う。
なぜに帰って来なかったかというと、会社における驚くべき事実が発覚したからだ。
それまで、会社の資金繰りというのは、今亡き義理の父、前々社長が1人行っていた。
資金繰りが厳しいということは、重々に承知していたが、実はもう義理の父1人では抱えきれる問題ではなかったのだ。
しかし、もともとワンマン社長で、どんぶり勘定だった義理の父は、もうすでに抱えきれる問題ではなかったにも関わらず、自分で何とかしようと奔走した結果、さらに問題は深刻化した。
それが露呈したのが、この日だったのだ。
私たちの知らない町金融の借金
これが信じられないくらいに膨らんでいたのだ。
一般常識として、町金融に手を出したらどうなるか?
末路はすでに決まっている。
地獄へのレールはすでに敷かれていた。
私たちはすでに、そのレールを走る電車に乗っていて、そのスピードが遅いか速いかのそれだけの問題だった。
私はその時、まだそのことを知らなかったが、帰らないという異常事態にいい様のない悪い予感を覚えた。
私もその時、朝まで眠れなかった。
*気長に次回をお待ちください、、、、m(_ _)m