自宅から歩いて10秒くらいのところに、おしゃれな焼き鳥屋さんが出来た。
以前は宅配の寿司店があった所で、私たちが引越してほどなく駅前に移転してしまった。
うちの近所は山崎デイリストアーがあるのと、先日吉田類が訪れたやきとん屋さん、家族経営の昔ながらのそば屋がある位で他には飲食店らしきものがない。というのもバス通りと言えど、駅から10分程度なので、どうしても駅前の方に行ってしまうからだ。
そんな立地だが、いきなりJAZZを聴きながら、ワインの飲めるおしゃれ焼き鳥な屋が出没した。都心にあっても十分通じる内装。
店のコンセプトもシンプルでメニューにもその心意気を感じる。
残念ながらカウンターしかないので、あまり大勢で行く店ではないため、今はもっぱら夫婦でしか行っていない。来ているお客さんも静かに飲みたいという風情の1人か2人連れの方が多いからだ。
この前、思い切って大将に話しかけた。ここの大将は小柄だが、いかにもフットワークの良さそうな引き締まった感じで、あまり口数は多くないが、ハキハキとしていて気持ちがいい。
「失礼ながら、なんで、こんな辺鄙なところに?都心でも十分通じるお店ですよ」
と言ったところ、住宅地であることと、バス通りに面していることにこだわったのだそう。
「本当は青梅の方に店を出すつもりだったんですよ。でもそこが雨漏りしてることがわかって、それでこっちに決めたんですよ。正直バス通りに面していることを重視したので、お店の中はあんまり細かく見なかったんですけどね」
飲食店はやったことがないので私にはわからないが、それなりに見ていないと言ってもリサーチはしたのだろうが、なんというか大胆というか。
しかも広告は一切打っていないという。
「口コミで広がってくれれば、それでいいと思ってるんですよ」
腕に自信があるのだろう。
やはり、すべてがシンプルな考え方。
いい店ができた。