LONGINESの腕時計。
親父が亡くなる寸前までしていた。
形見分けで私がもらって普段使いにしていた。
その時計がちょうど親父が昨年入院したのと同じ12月6日に止まった。
それまで、なんとなく親父の気配を感じる事があった。
この時計が止まった事でそれが薄らいだか消えたような気がした。
ずっと見ることがなかったお袋が、つい最近、親父の夢を見たらしい。
荷物を取りに事務所を出て行った夢だったとか。
それっきり夢の中でも戻ってこなかったらしい。
会社やお袋の行く末を案じていたのかな。
でも、どうやらここ最近の様子を見て安心したのだろう。
ようやく天国に旅立ったようだ。
この夢の話を聞いた時に、今までで一番切ないと思った。
たぶん、お母さんも一番切なかったんじゃないだろうか。
秀隆の言うとおり、たぶんお父さんは心配で成仏していなかったと
思う。
でも、もう大丈夫だと思ったんだろうね。神様から許されたこの世に残れる時間というのも
あるのかもしれない。
忘れ物を事務所に取りに来て、そのまま天国に今度は本当に行ったのだと思う。
それで時計も持っていったんじゃないかな?
私がそんな夢を見たら、たぶん号泣だな。
本当にお別れしたっていう気分になると思うもん。
悲しいなあ。